Tézzo SUZUKI / 鈴木哲生 Graphic Designer / グラフィックデザイナ

STATEMENT

new statement (2015.07)

 前回自分の意志のようなのを書いてから、生計を立てるということや、自分の専攻・専門について考えることがふえて、自分はどういうふうに仕事をするのかというアイデアがまともになってきたように思う。

 以前はもっと、放っておいてもこの世は広告代理店やそれ以外の企業や役所が自動的に回していると思っていた。でも部分的にはそうであっても(どんどんそうなっていっているとしても、今なおかろうじて)実際はいろんな情報の通過する筋道のグッとくびれた峠のような点、要するに事業の大事な局面に、生身の人間が嵌めこまれているのだということを、しばらく暮らしてみて知った。生身の人間だから、その皮のなかには、職業的な自律意識と一緒に、体液や性欲ももちろん常に揃っていて、だからいろんな予想外のことが起きたり、自然にしておいたら起きるはずがないことが起きたりするのだと思った。

 人間の、中身を覗けないシステムだからこその効果が、ケアレスミスで商品回収とか、愛人に公金をつぎ込むというようなことも引き起こすけれど、しかし望ましく意義ぶかい何かも引き起こしうるのだと思う。そのことを、今ものすごく素晴らしいことと思っている。大人になる、職業人になるということは、状況に応じてその峠のような点に自分がはめ込まれうることを自覚し、そこでただ情報やら金のスムースな流れを妨げないように自分を律せるというだけでなく、人間だからこその忘我状態や食欲や病気も必要とあらば全人的にその状況に動員できるということだと思う。

I am interested in the function of an individual in the society. Since I started my studies and work, I have observed the exact situations in which people have made a vital decision. Some of decision-makings seem to depend entirely on a person’s responsibility. It always reminded me that even though the world tends to be run by anonymous agencies, a person with flesh, blood, any kinds of body fluid and desire is still working widely in the society. Actually every individual living body can make any kind of error and we are always bothered with such carelessness, laziness and confusion. But at the same time, it is also true that only these individual can create something unpredictable.

I am thinking that I will be involved increasingly in the design industry and need to make many decisions. In this situation, I am slightly afraid that I try to avoid the errors too much. Someone said that being mature or being professional is to be careful and to divide myself into personal part and occupational part. But now, I think being mature, professional and is to be able to dedicate my knowledge, memories, trance, appetite, sexual desire and anything peculiar to human being to my work if it is necessary.

about web site (2015.07)

このウェブ・サイトは、公開された成果物を披露するだけでなく、その最中どういったことを考えていたかということをお見せすることも目的に作られました。各物件ページの左の太いカラムは成果物の紹介に充てられています。右の細いカラムは、レファレンスTumblr上のポストを転送したもので、直接的、間接的、あるいは換喩的に、見た目、意味、方法、なんとなくの感じ、等において強く影響を与えたものをご紹介するために充てられています(ご紹介しているものの制作者の方で、表示を取り下げてほしいというご意向の方はこちらこちらまでご連絡下さい)。

 サイトの構築にあたっては、デザイナの吉松英輝君が一年近く付き合って惜しみなく尽力してくれました。彼の突き刺すような鋭い指摘がなければぼんやりとしたままになっていたことも、ウェブ・サイトの制作という範囲を超えて多々ありました。強く感謝しています。

The intension of this web-site is not only to show my design products, but also to show what I was thinking and what I referred to during the design process. There are the two columns to show both of them in an individual section for each work. In the wider column on the left, I put project description and products. You can see also rejected ideas or development of design. And in the right narrower one, (note: it reflects automatically my Tumblr’s posts) I show anything that influenced a project directly, indirectly and metonymously, in terms of appearance, thought or method.
(If it contains your text(s) or product(s) and you do not want me to present them here, please let me know from here. )

I would like to thank a web designer Hideki YOSHIMATSU who made effort to make this web-site for almost a year. I really appreciate his keen and insightful advice which always makes everything clear and gave me a new point of view.

statement (2013.09, revised in 2015.07)

 まず、自分が世の中のいろんなものを見ているときの事を考えると(例えば看板や建物や植木や家具など)その背後にそれを作った人の企図がある…という意識で見ていることはほぼなくて、ほとんどの場合ただそこにあるもの…とだけしか考えていない。たまに、なんでこういう作りなんだ?と思っても、作っている人の本当の意図が分からないことも多いし、分かっても誤解の可能性がかなり高い。要するに、世界というのはスムースに意向が行き来するような所じゃないと思っていて、そういうところに投げ込まれたと思うしかない、という感じで暮らしている。

 自分がものを作るときも、誤解のない分かりやすいものができればいいんだろうが、上に書いたように自分が誤解してばかりだったり繊細な違いの見分けがつかないので、結局そういうことは目指しがたい。

 そもそも仕事をもらっても、その物事について自分は専門家ではないので、まずはそれを分かろうとしてよく考えたり調べものをする。しかしそれぞれに奥深くないものはなくて、話が来てから納期までに何年もあるわけではないので、大体は意味が分かってから制作…というわけにはいかない。なので、デザインの仕事をすること自体で、いろいろなことを分かるしかないのだという風に今は思っている。

 大学を受ける前、毎日鉛筆デッサンをしているときに、デッサンは、モチーフを見てそれがどんなものかを知ってから、次に、それを描いて人に分かってもらう事ではなくて、そのモチーフが一体どんな物なのかを、描くことで分かる事だと感じた。基本的には、仕事は(自分がやる場合)そういうふうに進めるしかないんではないかと思っている。

 ただ、自身の仕事を以て世界を分かろうとするというのは、どんな仕事でも言えることだと思うので、デザインの仕事に特有な世界の分かり方の特徴、デザインを通じてはもっぱら世界のこの部位(層、次元)にしかアプローチできない…というようなことについて、特によく考える必要がある。